スペシフィックカイロプラクティックとは ~ What’s Specific Chiropractic? ~

心身が調和し、自然に適応してゆける身体になってゆく為のスイッチをONにする事それが上部頸椎アジャストメント、即ち「スペシフィックカイロプラクティック」です。

The Subluxation Specific The Adjustment Specific
~頭の乗り方を決め、脳と身体の間の神経伝達の量を決めるのが首であり、そのなかでも脳幹に接し特別な構造と使命をもつ場所が上部頸椎なのです。

Nature needs no help, just no interference.
~人体には自然治癒力があり、妨害が無ければ無用の刺激を必要としない~

                           
The Power that made the Body heals the Body.
~あなたの身体をつくり上げたその力があなたの身体を治す~


上に掲げた言葉はスペシフィックカイロプラクティックの発展・創始者であるB.J.Palmer氏(1881~1961)の言葉です。スペシフィックを実践する上での大前提であり根幹を為す哲学として現代まで継承されて続けています。

カイロプラクティック定義
D・D & B・J Palmer’s definition
"Chiropractic is Specific or it is nothing." by B.J.Palmer
「カイロプラクティックとは、自然の叡智から生まれた「哲学・科学・芸術」である。
それは、病気(身体の異常)の原因である椎骨の変異を手だけによって調整する方法である。」

~上部頸椎と生命~

人間は地球の自然や社会に適応してゆくことで生きています。

逆にいえばこの世に生まれたという事は 人生の様々な場面で適応する為のありとあらゆる機能を既に備え持っている、ということです。 

最も分かりやすい例のひとつが重力に対する適応です。

誰もが身体の一番上に頭を乗せ、二足で大地に立つ事を可能にした適応の形をしています。

頭は成人で4~5㎏ほどの重さがありますがそれを支えているのが首です。
首の骨、いわゆる「頸椎(けいつい)」と呼ばれる部分の骨は上から下まで全部で7個あります。

その下に胸椎、腰椎、仙椎、尾椎と続く作りで出来ているのが一般に言う背骨で、専門的には「脊柱(せきちゅう)」と呼ばれるものです。


首の骨の一番上、つまり直接頭を乗せている第一頸椎は 輪っかのような形をしていて上を向いた面にある左右のたった2点で頭を支えています。 

この第一頸椎は 頭の自由な動きを可能にすることと引き換えに 本来あるべき位置から大変ずれやすい作りを持つ特別な部位となりました。

その第一頸椎という特別な性質を持つ部位が、生活上の様々な場面で思わぬ「ずれ」を生じさせてしまった場合、次の2点のことが身体に起こると考えられます。

1つめ 重力に対する適応の変化。
2つめ 身体の機能の変化。

この2点です。これだけ? だから何なの?とお思いでしょうか。

それとも なぜそんなことが起こるの?とお思いでしょうか。

ではこの2点についてもう少し掘り下げてお話してみます。

1つめの重力に対する適応の変化です。

人間は一番上に頭を乗せているという事は冒頭でお話しさせて頂きました。


そんなこと言われなくても分かっているよ!という感じかと思います。
その頭を乗せている一番上の首の骨、つまり第一頸椎が本来あるべき位置からわずかずれることでその上にある頭の乗っかり方が変わってくるとなるとどうでしょうか。

頭の乗っかり方が変わってくると人間は無意識のうちに重力に対して身体全体でバランスを取ろうとします。 そうしないと倒れてしまいますから。

首以下の身体で補正をしようとするのです。 首、肩、腕、背中、腰、股関節から、膝足首、指に至るまで…前後左右ななめへと各パーツが本来あるべき位置、向きから変化してゆきます。


変化した結果 本来無理なく分散されるべき重力、荷重が各パーツに偏った負担となってのしかかってきます。 その、のしかかった状態が持続してしまうと次の段階として負担が掛かり続けている部分の痛みという表現なって現れてきます。

身体のバランスが崩れている、という不調和のシグナルを痛みとして表現している訳です。
これが首のわずかなずれから起こる重力に対する適応の変化、そしてその結果です。 次に2つめの身体の機能の変化をお話しいたします。

人間の身体は脳から首を通って全身すみずみに「神経」を張り巡らせています。

頭のてっぺんからそれこそ爪先まで約60兆の細胞から成り、その細胞ひとつひとつの中にある約30億もの情報を持つ遺伝子に脳からの指令を届けています。

反対に各細胞、遺伝子からの情報を脳へ伝える役目も担っています。

その指令と情報のやりとりを脳と身体の間で生きている間じゅうぐるぐると行き来しているのです。 
全ての指令と情報の通り道、それが神経ということです。 

絶え間ないそのやりとりは必ず首の第一頸椎を通ってなされています。



例えば知らぬ間に爪先に傷を負っていたとしても血が出てかさぶたを作りいつの間にか傷も治っている、という事もよくあります。

言ってみればこれは正常なやりとりの結果です。

「傷が出来た」という情報と「では血を出してかさぶたを作って治せ」という指令が爪先と脳との間で神経を通って瞬時にやりとりされ、傷口でその指令が見事に実行されているからなのです。 それも無意識のうちに。

ではこのやりとりが行き交う通り道を何らかの妨害物で狭めてしまったらどういうことが起こるでしょうか。

道路でいえば本来2車線ある道路の片側を妨害物でふさいでしまったら、残りの1車線で交互に順番待ちをしながら行き交うことになってしまいます。 

情報と指令のやりとりが潤滑に行われなくなってしまうということです。

これではどこかで事故が起きても救急車や消防車を呼ぶのに手間取ってしまう、例え連絡が取れても今度はそういった車両が事故現場になかなか到着できない、という事態に陥ってしまいます。


そうなると現場に到着したころにはもう手遅れ、助けられるものも助けられずという結果が待っていることになってしまうのです。 

これと同じ事が身体にも言えるのです。道路が半分塞がれたまま身体のどこかで事故が起こったとしたらどうでしょう。本来ならあらゆるチカラが瞬時に結集してその生命体の保守存続に努めるはずの情報・機動部隊がなかなか来ないのです。

そんな状態が続いてしまうのです。これは異常なやりとりの結果ということが出来るでしょう。
この大切なやりとりの交通を妨害するもの、それが第一頸椎のずれなのです。

このように「情報」と「指令」の通り道がしっかり確保されていないと本来の力を発揮できない状態になってしまうということがおわかり頂けるでしょうか。

人間の体には一生変わらない生命のチカラが備わっており、それは死ぬまで100%あり続けます。減ることもありません。

しかし、この例のように 妨害 はされることがあるのです。妨害されたときに本来持っている身体の機能が発揮し切れない状態になってしまうのです。

本来100あるはずの力が80や60になってしまうことがあるのです。


これが身体の機能の変化です。

全ての情報と指令の通り道である神経、なかでも脳に一番近い第一頸椎の神経の通り道をしっかり確保することは健康に近づくためのまさに一丁目一番地なのです。

上部頸椎アジャストメントは皆様がその第一歩を歩み出す為のお手伝いです。

首の骨のほんのわずかなずれを調整することで重力に自然に適応し、機能を回復してしっかり生命のチカラを働かせることの重要さをお伝えすることが出来たでしょうか。

大前提として人間にはたとえ怪我や病気になってもそれらを癒す力が備わっています。

それは私たち人間を赤ん坊から大人に育てあげ、自然な老化をしてゆく力と同じです。

小さな傷なら2日~3日で治りますし、骨折しても、骨は自然にくっつきます。

手術をして縫合のあと皮膚をくっつけるのも自分です。 

風邪をひいてもある程度寝て休めば回復します。

何か身体や心に問題が起こっても時間と共にそれらを修復し、癒し、生命活動を維持させようとする力が誰にも備わっている証です。

食べた物を自身の栄養にする機能もあれば、不要なものは排泄する機能もある。


汗や匂いを分泌する機能、運動する機能… 人間は様々な機能を備えて生まれてきました。 

好きな人に逢うと何故か力が湧いてきてすごい行動力を発揮したり、見違えるほどの変化をすることがあるのも生命という不思議なチカラの為せる業かも知れません。

生命を誕生させ小さな赤ちゃんから大人へと身体と心を創り上げ、その生命を次世代へ伝え遺し、自然な老化をしてゆきやがて淘汰を迎えるまでのその間、貴方だけをずっと護り続ける「偉大な何か」が誰にも備わっているのです。

人間生活に全く配慮しない厳しい自然や社会の中で生きてゆく過程では、様々な出来事が私たちの身に起こります。

その暮らしのなかで幅広く適応し、生命を全うしてゆく為にはいつでも何があってもこの根元的な力を100%発動できる状態にしておくことが何よりも大切です。 

そしてそれこそが健康の真の意味であると私たちは考えています。


上部頸椎のアジャストメントは誰もが持つ生命の力を取り戻す為のお手伝いなのです。
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